011 ドローンスクールを卒業したら、すぐに「二種免許」の取得を目指すべし

ドローンスクールのインターネット広告を見ていると「パイロット不足」や「企業はパイロットを求めている」などのコピーで入校を検討する方をあおっているドローンスクールを見かけます。しかも、そんなスクールに限って「資格取得までわずか2日間」や「誰でも取得可能」など、資格取得の難易度の低さをアピールしています。
 
でも「パイロット不足」や「企業はパイロットを求めている」というコピーが真実だったとしたら、パイロットを求めたりするでしょうか?私が社長なら求人などせずに社員に2日間ドローンスクールに通わせて資格を取得させます。それに「資格取得までわずか2日間」や「誰でも取得可能」な資格にどんな価値があるでしょうか?
 
このような虚偽な情報で私益を肥やそうと企む企業が、ドローン業界に悪い影響を与えていると感じます。「005 ドローンの資格を取得しても簡単に仕事がないことを知っていますか?」にも書きましたが、現実はドローンスクールに入校して民間資格を取得すればお仕事があるというのは”甘い考え”です。
 
では、ドローンビジネスで起業することは間違ったことでしょうか?それでも私はドローンの市場を”職場”と考えていますし、私自身が他の業界からドローン業界に参入し事業を続けることができています。また、多数の当校修了生がドローン業界を職場としています。ではどう考えるべきか?
 
ドローンをお仕事に活かしたいなら、ドローンスクールを卒業してすぐに二種免許の取得を目指すことをお薦めします。「二種免許」といっても、そもそもドローンに一種免許どころか免許すらないのにどういうこと?と思われるでしょう。私のいう「二種免許」とは比喩です。
 
自動車の「二種免許」とは、バスやタクシーなどを旅客運送のために運転する際や、運転代行の業務として顧客の自動車を運転する際に必要な運転免許証です。逆にバスやタクシーなどの車両でも旅客運送でなければ「一種免許」で運転できます。「二種免許」は旅客の生命を預かり公共の保安を担う意味で、技能試験における合格点をはじめ、採点内容の基準などが第一種免許より厳しくなっています。
 
では、ドローンでいう「二種免許」とは、どんなものでしょうか?農薬散布ドローン運用のために必要な一般社団法人農林水産航空協会「産業用マルチローター技能認定証」や、空撮測量を行う際に用いるアプリケーションメーカーの認定資格など、運航だけのスキルの証となる資格ではなく、プロフェッショナルとして必要な専門分野のスキルの証となる資格という意味です。
 
ドローンの高い操縦技術の証となる資格と、プロフェッショナルとして必要な専門分野のスキルの証となる資格を共に修得しようとすると、現有の社員への短期間の社外教育では困難になるでしょう。
 
ですから、本気でドローンをビジネスに活かそうと思うなら、ドローンの高い操縦技術の証となる資格と、プロフェッショナルとして必要な専門分野のスキルの証となる資格を共に修得できるドロースクールを選ぶことが必須でしょう。2〜3日間で修了するドロースクールでは不可能なことは明らかです。