017 ビギナーが動画クリエーターになる方法

「映像と動画はどう違うか?」という議論が交わされることがあります。一般的には映画やTV番組のような長時間のものが「映像」、YouTubeやTikTokなどSNSに投稿されている短時間のものが「動画」とされることが多いですが、ONE MEDIA 創業者明石ガクト氏は、書籍「動画2.0 ”VISUAL STORYTELLING”」の中で・・・

 

一般的に、テレビに流れるCMや番組は映像、スマホで視聴するものを動画とする見方もありますが、その区別では曖昧。(中略)では、映像と動画はどこが決定的に違うのか。それは、動画は時間当たりの情報の密度が“圧倒的に濃い”ということです。

 

・・・と論じています。つまり、再生時間の長さではなく「情報の密度」だということです。私たちは多くの撮影〜制作依頼を受注しています。ご依頼のほとんどが「短い時間で多くのことを伝えて欲しい」つまり「動画」のご依頼ばかりということです。

 

また、ドローン 大学校を修了後に空撮動画のクリエーターに成長された方が、たくさんいらっしゃいます。映画の撮影をされている方、TVCMの動画撮影をされている方、バラエティ番組の撮影をされている方、ミュージックビデオの撮影をされている方・・・と思い出してもキリがない程の方々が空撮のお仕事に就かれています。そんな方々が動画に対する知識やセンスが備わっていたか?というと、そうではないと思います。では何故そんな方々が撮影のお仕事を得ることができるようになったか?今日はその方法について書きます。

 

まず「空撮・撮影・動画」は全く違う意味であるということを理解することから始める必要があります。「空撮」とはドローン などを使って空中から撮影することを指します。「撮影」は地上の撮影を含むことを意味し「動画」とはビデオの映像など動く画像全般を指します。「空撮」は「撮影」の一部、「撮影」は「動画」の一部、つまり「空撮<撮影<動画」ということです。ドローンで空撮ができても動画の制作ができるわけではなく「撮影の一部ができるようになっただけ」ということを自覚する必要があります。それを十分に理解ぜず、幣校修了後「動画制作を受注した」と言って、撮影に入ってから動画制作の難しさを実感する修了生も少なくありません。

 

動画制作を行う際には、以下のようないくつかの役割のスタッフが必要です。

 

① プロデューサー 企画・予算組み・スケジュール管理などを行うプロジェクト責任者
② ディレクター  各職種に具体的な指示を出しプロジェクトを推進する制作・演出主導者
③ マネージャー  段取り確認や関係各所への連絡・事務作業を行う管理者
④ カメラマン   ドローンやビデオカメラを操作して撮影する撮影者
⑤ アシスタント  カメアシとし三脚・スライダー・ジンバル・ライト・マイク等の用意を行う
⑥ エディター   カット編集、テロップ入れ、その他適宜編集加工を行う編集者
⑦ 編集オペレーター スタビ/ボカシ加工・テロップ/字幕/サムネ制作を行う技術者

 

もちろん理想的には、作家、脚本家(シナリオライター)、音声・MAミキサー、照明オペレーター、スイッチャー、アニメーター、CGクリエイター・・・と多くのスタッフがいることが理想的ですが予算的に厳しいのが現実です。私たちは低予算で動画制作を可能とするため、上記7役をさらに兼任して3〜5名程度で行うことも少なくありません。僕は20年近く動画制作をしてきましたが、最低でもこのくらいの人員が必要だと考えています。では動画制作を人生はじめて行おうとする方が、どの役割を担当するのがいいと思いますか?

 

ドローンで空撮ができるようになった方なら「④ カメラマン」から始めるという方が多いと思いますが、空撮のビギナーであればディレクターの指示通り撮影することは難しく「空撮シーンのみの撮影」となると、高額なギャラは期待できません。そこで「① プロデューサー」から始めることをオススメします。プロデューサーは、❶ クライアントに向けて営業活動を行い ❷ 受注後パーパス(動画制作の意義)をクライアントとのインタビューで聞き出し ❸ ロケ地やキャスト(出演者)のリストアップやスケジュール調整を行い ❹ 企画書にしてディレクターに提出するという役割を担当します。この役割であれば動画制作の経験が少なくともでき、中心的な役割としてギャラも期待できます。

 

① プロデューサーの役割ができるようになれば、次は「③ マネージャー」を担当します。この役割は、❶ ディレクターが決定したらロケ地やキャスト(出演者)を押さえ ❷ ディレクターの指示通り撮影できるように工程管理を行います。つまりプロデューサーとマネージャーはディレクターを挟んで連係している役割なので進めやすいです。

 

① プロデューサーと ③ マネージャーの役割ができるようになれば、次は「⑤ アシスタント」を担当します。すぐにカメラマンをやりたいところですが、ディレクターの指示通りに撮影することは簡単なことではないので、アシスタントとしてプロとしてのカメラマンの「動き」を学んでから進むべきでしょう。

 

① プロデューサーと ③ マネージャーと ⑤ アシスタントの役割ができるようになれば、次は「④ カメラマン」を担当します。すでにプロとしてのカメラマンの「動き」を学んでいれば進めやすいです。

 

① プロデューサーと ③ マネージャーと ⑤ アシスタントと ④ カメラマンの役割ができるようになれば、次は「⑦ 編集オペレーター」を担当します。すぐにエディターをやりたいところですがディレクターの指示通りに編集することは簡単なことではないので、編集オペレーターとしてプロとしてのエディターの「動き」を学んでから進むべきでしょう。

 

① プロデューサーと ③ マネージャーと⑤ アシスタントと ④ カメラマンと⑦ 編集オペレーターの役割ができるようになれば、次は「⑥ エディター」を担当します。すでにプロとしてのエディターの「動き」を学んでいれば進めやすいです。

 

そして、最後は「② ディレクター」を担当します。ディレクターは全工程を理解していないとできない役割です。会社であれば社長的な役割です。このディレクターを経験のないビギナーが担当するとどうなるか?ご想像いただいたら判ると思いますが、低クオリティの作品になるか未完成に終わることになります。

 

ビジネスでは、Going Concern(ゴーイング コンサーン)つまり「継続」が大切です。一度でも低クオリティの作品を納品したり、未完成に終わることになれば、信頼を取り戻すことは困難となり、事業継続の可能性を断つことになります。目先の売上や利益を意識することなく、可能な限り高いクオリティーの作品を提供することを考え、クライアントから大きな信頼を得ることが、将来の大きな売上や利益に繋がることを意識して「まずは自分にできることに専念」して動画クリエーターを目指してください。