013 2022年にドローン ビジネスが飛躍的に拡大します!

新型コロナウイルス感染拡大が進む2020年12月3日14:00〜16:00に内閣官房小型無人機等対策推進室が「小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会(第15回)」を開催しました。その席で、国土交通省航空局が「無人航空機のレベル4の実現のための新たな制度の方向性について」という資料を公開し、官民協議会後は首相官邸のウェブサイト*1にて公開されています。
 
資料には「無人航空機の飛行の安全を確保し、その利活用拡大を図るため、航空法では、無人航空機の飛行の許可・承認制度(平成27年改正)、登録制度(令和2年改正)など、段階的に環境整備を進めている。」 「ドローンに関する技術の向上、物流等の利活用へのニーズが高まっている中、 2022年度を目途に、現行では飛行を認めていない 「有人地帯における補助者なし目視外飛行」(レベル4)を実現すべく、交通政策審議会等において検討を行ってきた」とあります。つまり、2022年からは第三者の頭上でドローンを飛行させることが可能となり、都心部における荷物輸送を行うことができるようになります。
 
ドローンによる荷物輸送については、2018年の秋以降、無人地帯(第三者がいない場所)であれば可能であり、日本郵便(株)、楽天(株)、ANAホールディングス(株)がビジネスとしてサービスを開始しています。しかし、第三者の頭上でドローンを飛行させないことには「実用化」というレベルには至らず、2022年のレベル4によって実現化するわけです。しかし、米国では2020年8月31日にAmazonが、ドローンを使った商業配達の試験を行うのに必要な米連邦航空局(FAA)の認可を取得し有人地帯における補助者なし目視外飛行」レベル4を実現しています。つまり日本は米国から2年遅れでレベル4が実現するわけです。
 
しかしそのためには、機体認証、操縦ライセンス、リモートIDの導入など安全に運航するため、超えなければ壁がいくつもあります。このあたりのことは次回のブログで書きますが、それらのルール改正の要件の中に「施行にあわせて登録・許可承認の対象となる無人航空機の範囲を100g(現行200g)以上に拡大」とあります。これは、現行制度上機体本体とバッテリーの合計重量が200g未満の機体は、航空法上、模型航空機として無人航空機と区分され、規制を受けることが少ないですが、DJI MINI 2のような機体本体とバッテリーの合計重量が200g未満の機体であっても、DJI MAVIC AIR 2のような機体本体とバッテリーの合計重量が200g以上の機体と同等の規制を受けることになります。そして、DJI RYZE Telloのような機体本体とバッテリーの合計重量が100g未満の機体については現行制度と同等に模型航空機として無人航空機と区分され、規制を受けることが少ない状態で飛行することができます。
 
パワフルで遠距離の飛行も可能な伝送装置を搭載し、4K動画を撮影でき、4倍ズームやパノラマ撮影に対応する機体として人気のあるDJI Mini 2が、大型ドローンと同様に航空法の規制を受けることになるので、ホビーとしてドローン を飛行している方から反対意見が出てくるでしょう。しかし、ドローン ビジネスを推進する方であれば、レベル4を実現するためにはルール無視の機体を減らす必要があり、当然の改正だと感じる方も多いのではないでしょうか?DJI Mini 2が、大型ドローンと同様に航空法の規制を受けることになっても、都心部における荷物輸送が実現するほうが、社会的な意義が大きく、ドローンビジネスが活発化することは明らかです。
 
今後もドローンに関する規制は厳しくなる一方でしょうが、ドローン ビジネスを推進するためには必要不可欠なことなので規制が厳正されることは歓迎するべきことだと考えていただきたいと思います。
 
*1: https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kogatamujinki/kanminkyougi_dai15/gijisidai.html?fbclid=IwAR1Ds0Bpz-0NYVSAzU7TchIalYF-v9zm8z-AtBQ2wpDHx7Jgwa2JLOHepMU