006 ドローンビギナーが民間資格を取得したがる法律上のメリットとは?

ドローンの民間資格を発行する講習団体には、ドローン検定協会株式会社、一般社団法人日本 UAS 産業振興協議会(JUIDA)、一般社団法人日本ドローンコンソーシアム、DJI JAPAN株式会社、一般社団法人ドローン操縦士協会(DPA)などのさまざまな団体があり、その団体ごとに資格基準を設けています。
 
つまりドローンの民間資格と一口にいっても、習得した知識や技術レベルはさまざまです。さらに、同じ講習団体で発行する民間資格を保持しているからといっても受講したドローンスクールによってレベルはさまざまです。なぜ同じ講習団体は発行する民間資格でも習得した知識や技術がさまざまなのか?それはドローンスクールによって受講日数、教習機体、教習環境が違い、さらには検定試験の合格基準も各校の判断に委ねているのが実状だからです。
 
そんな環境において取得した民間資格に意味があるのか?と、これからドローンを始める方はお考えになるでしょう。今回は、ドローンの民間資格が法律的にどんなメリットがあるのかご説明します。
 
ドローンを飛行させる際に最も注意しなければならない”航空法”を定める国土交通省は、2017年6月1日付で、以下のコメントをホームページ*1に掲載しました。
 
無人航空機の講習団体及び管理団体の航空局HPに掲載について、本日付けで所要の要件を満たすことが確認できた講習団体等を航空局HPに掲載しましたのでお知らせします。今後、当該団体等の講習修了者は、飛行許可を受ける際、無人航空機の操縦の知識や能力に関する確認が簡略化させることとしております。詳細は「3.許可・承認手続きについて」をご確認ください。
 
このコメントによると「航空局HPに掲載する管理団体の講習修了者は飛行許可を受ける際に操縦の知識や能力に関する確認が簡略化される」とあります。ドローンを飛行させる際に国土交通省航空局の飛行許可を受けることが大切なことは「002 航空法はドローンを飛ばそうと思っている人が知っておくべき法令です」にも書きましたが、改正航空法が施行された2015年12月10日から2016年12月9日までの1年間で、国土交通省は12,300件の申請(事前相談を含む)を受け、10,120件の許可・承認を行っている*2ことからすると、許可・承認申請の際に”簡素化”されるというのは、ドローンビギナーにとって民間資格を取得するメリットになります。
 
ただし、どの程度”簡素化”されるかについては、具体的な表現がなく、また実施から長期間が経過したわけではないので定かではありません。加えて、ドローンスクールによっては許可・承認申請の方法を詳しく指導するスクールもありますから、その点でもドローンビギナーにとって民間資格を取得するメリットはあるといえます。
 

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POINT ❶ ドローンの民間資格を発行する講習団体ごとに資格基準を設けているので、民間資格ごとに知識や技術のレベルはバラバラ。
POINT ❷ ドローンスクールごとに民間資格の合格基準を設けているので、スクールごとに知識や技術のレベルはバラバラ。
POINT ❸ 航空局HPに掲載する管理団体の講習修了者は飛行許可を受ける際に操縦の知識や能力に関する確認が簡略化される。

 
*1 引用 国土交通省ホームページ( http://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk10_000003.html )
*2 引用 2017年3月23日初版発行『ドローンビジネス調査報告書2017』株式会社インプレス 発行
*3 引用 一般社団法人日本 UAS 産業振興協議会(JUIDA)ホームページ( https://uas-japan.org/report/4495/attachment/dsc_0310/ )