004 プロ・ドローンパイロットになるためにビギナーが最初にやるべきこと

ドローンスクールでドローンでの10時間以上の飛行を経験し(トイドローンは含まれない)、航空法などの関係法令に関する知識を習得し、国土交通省航空局に許可・承認申請を行い、いよいよプロ・ドローンパイロットとしてビジネスを始めようとしても、空撮・測量・点検などのお仕事は簡単には見つかりません。
 
「003 どのドローンスクールを選べばいいの?と悩むビギナーが知るべきこと」でも書きましたが、2015年12月10日から2016年12月9日までの1年間で、国土交通省航空局に12,300件の許可・承認申請がありました。つまり現時点で1万人以上の方がドローンで空撮・測量・点検を行っていることになります。そんな環境下で理想的なお仕事を確保しよとすれば、先ずはクライアント側から見て「お仕事をお願いしたい」と思ってもらえるようなポートフォリオ(サンプル)をつくることが必須になります。
 
では「お仕事をお願いしたい」と思ってもらえるようなポートフォリオとは、どんなものなのでしょうか?空撮・測量・点検と、いずれのビジネスにせよポートフォリオのクオリティを決定づける最たる要因は、ドローンの操縦技術でも撮影技術でもありません。じつは”ロケーション(場所)”と”コンディション(天候)”です。
 
“コンディション(天候)”はさておき、”ロケーション(場所)”について、たとえば、東京お台場のレインボーブリッジから東京タワーや赤坂を経て、六本木ヒルズやミッドタウンまで空撮できれば、アプリケーションによる自動航行で、カメラを真下に向けた空撮であっても、多くのひとが感動する動画を撮影することができ「お仕事をお願いしたい」と思ってもらえるようなポートフォリオが完成するでしょう。逆に特に珍しくもない山や海を空撮したところで「お仕事をお願いしたい」と思ってもらえるようなポートフォリオにはなりません。
 
では、どうすればそんな”ロケーション(場所)”で撮影することができるのでしょうか?そのためには、撮影したい場所の地権者から撮影の許可をいただく必要があります。「002 航空法はドローンを飛ばそうと思っている人が知っておくべき法令です」にも書きましたが、人口集中地区での飛行や夜間飛行をすることは国土交通省航空局に許可・承認申請をすれば合法的にできます。しかし、それは”航空法上の問題”がないだけで、地権者の許可がなければ”民法上の問題”が残ります。ドローンを飛行させる場合、じつは”航空法上の問題”より、この”民法上の問題”をクリアすることが困難です。
 
では、撮影したい場所の地権者から撮影の許可をいただくにはどうすればいいか?当然のお話ですが、地権者に「ドローンで空撮・測量・点検してほしい」と思ってもらえばいいわけです。ですから地権者に対するメリットを伝えるべきです。「わたしはドローンを使って、こんな空撮・測量・点検ができます」や「ドローンパイロットとしてこんなスキルを持っています」という情報を伝えるのではなく「わたしがドローンを使って空撮・測量・点検をすれば、あなたにはこんなメリットがあります」と伝えるべきです。例えば「空撮動画によって集客が見込める」「測量によって効率的に仕事ができる」「できなかった高所の点検ができる」などです。
 
わたしたちが生きる社会はバランスで成立っており、ビジネスもまたバランスで成立っています。商売は”お金”と”価値”を交換する行為であって、どちらか一方に価値が偏っていれば交渉は成立しませんし、たとえお金がいただけない案件であっても、地権者にメリットがなければドローンを使った空撮・測量・点検などの許可をいただくことはできません。「いつも自分の要求ばかりを主張する」「困ったときだけお願いに来る」そんなドローンパイロットを見かけますが、それではいつになっても「お仕事をお願いしたい」と思ってもらえるようなポートフォリオは完成しません。
 
お仕事がいただけるドローンパイロットになりたければ「クライアントに訴求するポートフォリオをつくる ▷ そのためにドローンを飛ばす理想的な場所を探す ▷ 地権者のメリットを考える ▷ 地権者にメリットを伝える」という流れで思考してみてください。
 

 
POINT ❶ 空撮・測量・点検などのドローンパイロットを必要とする案件が簡単に見つかることはない
POINT ❷ ポートフォリオのクオリティはドローンの操縦技術でも撮影技術でもなく”ロケーション(場所)”と”コンディション(天候)”で決まる
POINT ❸ クライアントに訴求するポートフォリオをつくる ▷ そのためにドローンを飛ばす理想的な場所を探す ▷ 地権者のメリットを考える ▷ 地権者にメリットを伝えるという流れで思考する